オートパイロットが変える航海の安全性と快適性

東京湾千葉沖から横浜方面を船上から見た景色

オートパイロットは便利なだけではなく、安全性と快適性の両方の向上にも大きく寄与する有難いツールだ。今回は、オートパイロットがどのように安全性を高めるかについて紹介する。

この記事は、30ft程度の船を購入して1人で操船を目指す中高年のペーパーキャプテン向けの内容となっている。初心者キャプテンが安全な航海を目指す上で、オートパイロットは心強いパートナーになる。

オートパイロットの基本的な使い方
理屈コネ太郎の船の場合、走行中にGPS画面を見ながら目的地の方向へ船首を向け、engageボタンを押すだけでオートパイロットが方角を維持してくれる。これによりキャプテンは操舵から解放され、重要な「ウォッチ(見張り)」に集中する時間的・身体的余裕を確保できる。

東京湾でのウォッチの重要性
私のホームである東京湾は、浦賀水道航路を通る大型船や遊漁船、操業船、小型船など、多種多様な船が行き交う非常に混雑した海域だ。このような環境では、自分が最も安全なキャプテンであるべきという意識を持つことが重要であり、何より他船や障害物を見落とさず無事に帰港することが最優先となる。

ガラス越しの視界は、塩や水滴の付着、反射光によって見づらくなることがある。室外に出て直接周囲を確認することで、安全性は格段に向上する。この際、オートパイロットが操舵を補助してくれるため、ウォッチに集中できるのだ。

室外と室内からの視界の違い
以下の写真は操船席から見える外の景色と、室外に出たときの視界の違いを示したものだ。写真1と写真2は操船席からの前方視界と後方視界。ガラス越しの視野は、反射や明暗差の影響を受けやすい。

船内から窓を通して外部を見ている。船の内外の明暗差がハッキリとわかる。
写真1
操縦席から後方を見返った。市内外の明暗差が強い。
写真2

写真3~6は室外に出た視界。反射や遮蔽物がなく、視認性が大幅に向上している。

船外に出て、バウから遠方を見ている。明るさが一定している。
写真3
バウから後方を振り返った。外部が良く見える。
写真4
スターンから後方を見る。やはり室内から見るよりはよく見える。
写真5
操縦席のすぐ横から前方を見る。船の左側はあまり見えなくなる。
写真6

安全を確保するためには技と身体能力を向上させることは勿論だが、同時に電子機器を適宜つかいこなす事も大切である。特に理屈コネ太郎のように中高年のビギナーキャプテンならば、電子機器は躊躇うことなく活用すべし…と思う。

利用できる道具は何でも使って安全を最大限に確保したい。もちろん、自身の身体と知恵と工夫も駆使しよう。

太陽光の反射が与える影響
海面の反射光は、特に進行方向にある場合、視界を大きく妨げる要因となる。例えば、小型の2馬力ボートはレーダーにも映りにくく、目視が唯一の確認手段だ。以下の写真では逆光条件での視界の悪さを示している。

写真(写真7)だとこんな感じ。

太陽と海面の照り返しで進路方向の海上が見えにくい
写真7

写真7は太陽と海面反射による視界の悪化を写したもの。室外から目視しても小型船が見えにくい。怖いでしょ?

安全確保のために活用すべきツール
オートパイロットは、操舵作業を軽減し、キャプテンが周囲を監視する心理的かつ物理的余裕を生み出してくれる。また、目視による確認が最も信頼できる手段であることを考えれば、電子機器を適切に活用しつつ、身体的・知識的スキルを磨くことも重要だ。

中高年ビギナーキャプテンは、オートパイロットのような便利なツールを積極的に利用することで、安全性を最大限に高めるべきだ。もちろん、自身の身体能力や経験も併せて向上させることが必要である。

結論
オートパイロットは、中高年初心者キャプテンが安全な航海を実現するための強力なサポートツールだ。操舵から解放され、ウォッチに集中できる環境を提供することで、複雑な海域での安全性を確保するための大きな助けとなる。今後の航海では、この便利な機器を最大限活用しつつ、自身のスキルアップにも努めてほしい。

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今回は以上です。

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